【武田晋一の本 一覧】
 

主に水辺の小さな生き物たちにレンズを向けています。過去に、撮影を引き受けてみて好きにならなかった生き物はなく、特定の分類群の生き物に執着せずに撮影していますが、人気がない生き物を撮影するときの方が、より熱くなります。
絵画としての写真にも興味がないわけではないのですが、写真は、基本的に、本を作る前提で撮影します。

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貝のふしぎ発見記
(少年写真新聞社)

僕がプロの自然写真家になりたいと思い始めた頃に憧れだったのが、ちょうどその頃次々と発表されていた、昆虫写真家・海野和男先生が撮る虫の擬態の写真でした。
海野先生と同じような本を作ってみたいものだとあこがれたものです。
でも、僕が擬態の写真を撮るのでは、ただの二番煎じであり、プロのすることではないでしょう。
ある日、ふと、擬態というのは表面的なことであり、本質は生き物の進化の面白さだと気付きました。
進化が面白い生き物と言えば軟体動物。軟体動物の形態や性質は、これが同じ分類群の生き物なの?と研究者の分類を疑いたくなるくらいに多様です。
貝のふしぎ発見記は、そんな軟体動物の多様性に対する僕の驚きを表現した本です。
 
   
ナメクジはカタツムリだった?
(岩崎書店)

元々大の苦手だったナメクジ。
ところが、ある時カタツムリ図鑑を作ることになり、日本全国のいろいろなカタツムリを見ているうちに、僕はカタツムリの仲間であるナメクジにも興味が湧いてきました。
商業出版には、セオリーがあったり、大人の事情があったりと、デスクトップ上で好きにページを作るのとは違う面がありますが、この本は、そうした事情をを取っ払い、自分が見たり体験しておもしろいな、と思ったことを、そのまんま、率直に形にしました。
 
   
ペットボトルで育てよう 水の生き物
(汐文社)

ペットボトルは、実は非常に撮影が難しい被写体。若いころにペットボトルを使用したイモムシの飼育シーンの撮影を依頼され、俺は写真が撮れるんだ!と自信満々で引き受けたら、実に悲惨な結果に終わったことを思い出します。
それから随分時間がたち、今回は、赤字になるかな?なんて思いながらもペットボトルを撮影するための設備投資から始めました。お金以外に随分時間も要しましたが、そこで習得した技術が、思いの他、その他の撮影に役だつことがわかり、引き受けてよかったなと思う仕事になりました。。
 
   
ざりがにのひみつ
しぜんに タッチ!
(ひさかたチャイルド)

元々は月刊誌として作った本が、その後に単行本化されました。
一般に月刊誌の場合は、編集者が実質的な著者になります。具体的には、編集者が絵コンテや原稿を書いて、カメラマンはその通りに撮影します。
すると、他人が描いた絵コンテの通りに撮影するのが難しいこと。自分が絵コンテを描く場合は自分が撮影することを前提に描きますが、編集者が描くとそうではないから。
一方で、言われた通りに写真を撮るというのは、音楽で言うなら譜面の通りに正確に演奏できるということでもあり、画面を自在にコントロールするという写真の技術の勉強になります。
 
   
うまれたよ!クラゲ
(岩崎書店)

生き物の本には、自然・写真・本の3つの柱があり、そのうちどれか2つが一線を越えれば、大抵企画が成立します。「うまれたよ!クラゲ」は、従来の自然物にはしたくないという思いから、3つの柱のうちの本の部分に力を入れました。読んでもらった子供たちが、ほんわか楽しい気持ちになれるように!と。ボコヤマクリタさんのリズミカルな文章がとても素敵な一冊です。
 
 
石はなにからできている?
ちしきのぽけっと (23)
(岩崎書店)

被写体はそこらの石ころ。だから写真を撮ること自体は容易いのですが、そこらの石ころだけに、面白くすることが極めて難しい撮影でした。
何度も撮り直しを重ねましたが、生き物と違って撮り直しができる結果、非常に勉強になった一冊です。
 
   
たべたら うんち!
しぜんに タッチ!
(ひさかたチャイルド)

元々は月刊誌として作った本が、その後に単行本化されました。
自然写真の仕事をしてみてへぇと思ったことの1つが、糞の写真が大人気だということ。生き物の本には子供向けが多く、糞は子供たちの興味の対象なのです。
 
 
はじめてのちいさないきもののしいくとかんさつ
学研プラス

小はミジンコ~大はヘビまで、淡水の生き物~海の生き物まで含まれていて、いろいろな生き物を幅広く撮影する難しさを思い知った本です。
幅広く撮影することの難しさを痛感した一方で、この本を作りながら、いろいろな生き物をますます好きになり、自然観察がより一層楽しくなりました。

   
よみきかせ いきものしゃしんえほん22 
うまれたよ!ヤドカリ (岩崎書店)

海の生き物の本格的な撮影は、これが初めて。むしろ海は避けていただけに、「なぜ僕に」と聞いてみたら、「カタツムリと言えば武田さんだから、殻を背負っている生き物も武田さんかな」と返ってきました。
このヤドカリをきっかけに、僕は磯の生き物に猛烈にのめり込んでいくことになり、僕の生活を変えた一冊です。
次から次へと、作りたい本の企画が湧いてくるのです。
 
   
カタツムリ ハンドブック (文一総合出版)

カタツムリの本は、過去に子供向けのものを数冊作りましたが、元々はそれらの本のまとめとしてカタツムリ図鑑を作ることを思い立ちました。
ところが、図鑑の取材を進めるうちに、カタツムリには面白いネタがまだまだたくさんあることを思い知らされ、まとめどころか、次なるカタツムリの本を作りたくなってしまいました。自然写真を仕事にして以来、僕には趣味と呼べるものがなくなっていましたが、図鑑を制作するうちに、ついにはカタツムリが趣味になってしまいました。
あなたの青春の思い出は?と聞かれたら、今ならこのカタツムリ図鑑を制作するための旅だと答えるでしょう。客観的には、青春という年齢ではありませんが・・・



よみきかせ いきものしゃしんえほん13 
うまれたよ!カタツムリ (岩崎書店)

自分が何にこだわり、何をしたいのかに、本を作る過程で気付くことがあります。この本は、文章と構成を担当したボコヤマクリタさんと、何度も打ち合わせをしながら作った本ですが、その過程で、自分が、新しい本を作りたがっていることに気付きました。
新しいというのは案外説明が難しいのですが、例えば類書がないことやその本にしか書かれていない事柄があることです。
「うまれたよ!カタツムリ」の中には、おそらく僕しか見たことがないんじゃないか?と思うカタツムリの行動が紹介されています。


かんさつ名人になろう 
かたつむり (ポプラ社)

図書館向けです。近所の図書館に推薦してください。

この本は、新しく写真を撮るのではなく、すでに持っていた写真をメインに作りました。単行本は、使い捨てではなく後に残るものなので、正直に言えば新たに撮影するのが楽しいのですが、一方で、新たに写真を撮らなくてもすでに持っている写真で本が作れるくらいに自分の写真が充実してきたこと、キャリアを積むことができたことに感激もあります。
同じシリーズに「ざりがに」もあります。


かんさつ名人になろう 
ざりがに (ポプラ社)

図書館向けです。近所の図書館に推薦してください。

この本は、新しく写真を撮るのではなく、すでに持っていた写真をメインに作りました。単行本は、使い捨てではなく後に残るものなので、正直に言えば新たに撮影するのが楽しいのですが、一方で、新たに写真を撮らなくてもすでに持っている写真で本が作れるくらいに自分の写真が充実してきたこと、キャリアを積むことができたことに感激もあります。
同じシリーズに「かたつむり」があります。


しぜんにタッチ!
かたつむりのひみつ(ひさかたチャイルド)

元々、随分前に月刊誌の6月号として作った本ですが、単行本化されました。今改めて見て思うのは、当時の自分がなかなかよく頑張っているということ。これは、嬉しくもあり、悔しくもあります。

嬉しいというのは説明不要でしょうからわざわざ書きませんが、悔しいというのは、僕は日々努力をして、昔の作品は見るに値しないくらいに進化していたい気持ちがあるからです。
ともあれ、思い入れのある仕事です。


水と地球の研究ノート ⑤
ごみ水路水族館(偕成社)

「こんな写真が欲しい」、という依頼にこたえることを重視し、あえて受け身で仕事をしてきた僕が、生まれて初めて、「僕はこんな風に自然を見ていますよ」、と自分から投げかけた本(シリーズ・全5冊)です。人の依頼にこたえながら写真の技術を磨き、本作りを勉強し、そこで多くの人から教わったものを、思いっきり、この本の制作にぶつけました。

福岡県北九州市にあるゴミだらけの水路に住んでいる生き物たちと、なぜそこに水路があるのかという社会の話です。


水と地球の研究ノート ④
消えない水たまり(偕成社)

「こんな写真が欲しい」、という依頼にこたえることを重視し、あえて受け身で仕事をしてきた僕が、生まれて初めて、「僕はこんな風に自然を見ていますよ」、と自分から投げかけた本(シリーズ・全5冊)です。人の依頼にこたえながら写真の技術を磨き、本作りを勉強し、そこで多くの人から教わったものを、思いっきり、この本の制作にぶつけました。

福岡県北九州市にある水溜りで繁殖をするアカガエルやサンショウウオと、なぜその水溜りの水がなくならないのか?という地球のしくみの話です。


水と地球の研究ノート ③
木が生える沼(偕成社)

「こんな写真が欲しい」、という依頼にこたえることを重視し、あえて受け身で仕事をしてきた僕が、生まれて初めて、「僕はこんな風に自然を見ていますよ」、と自分から投げかけた本(シリーズ・全5冊)です。人の依頼にこたえながら写真の技術を磨き、本作りを勉強し、そこで多くの人から教わったものを、思いっきり、この本の制作にぶつけました。

島根県津和野町にある沼と、なぜそこに沼があるのか?という地球のしくみの話です。


水と地球の研究ノート ②
とける岩の洞くつ(偕成社)

「こんな写真が欲しい」、という依頼にこたえることを重視し、あえて受け身で仕事をしてきた僕が、生まれて初めて、「僕はこんな風に自然を見ていますよ」、と自分から投げかけた本(シリーズ・全5冊)です。人の依頼にこたえながら写真の技術を磨き、本作りを勉強し、そこで多くの人から教わったものを、思いっきり、この本の制作にぶつけました。

福岡県北九州市の平尾台にある洞窟の探検と、なぜこの場所に洞窟があるのか?という地球のしくみの話です。


 
水と地球の研究ノート ①
町の中の泉(偕成社)

「こんな写真が欲しい」、という依頼にこたえることを重視し、あえて受け身で仕事をしてきた僕が、生まれて初めて、「僕はこんな風に自然を見ていますよ」、と自分から投げかけた本(シリーズ・全5冊)です。人の依頼にこたえながら写真の技術を磨き、本作りを勉強し、そこで多くの人から教わったものを、思いっきり、この本の制作にぶつけました。

熊本県の嘉島町にある湧水の池の生き物たちと、なぜ水がこの場所に湧いて出るのか?という地球のしくみの話です。



ぼくたち親子だよ アマガエルの親子
  ―父さんさがしてほっぷびっきジャンプ!(旺文社)


文章は西沢杏子さん。幼児向けの本は、どうしても広く浅くの傾向にあり、生き物の面白い特徴の部分だけを取上げる傾向にある。だが、たとえ幼児でも、自然を見る際の基本は、やっぱり、生き物が生まれてから死ぬまでのライフサイクルではないだろうか?そこで僕は、アマガエルを『親子』という幼児にも分かりやすい切り口で取上げることで、そのライフサイクルをさりげなく紹介する、そんな本作りにチャレンジしてみた。


ぼくたち親子だよ ザリガニの親子
   ―チョキくんのひとりだち(旺文社)


文章は深山さくらさん。幼児向けの本は、どうしても広く浅くの傾向にあり、生き物の面白い特徴の部分だけを取上げる傾向にある。だが、たとえ幼児でも、自然を見る際の基本は、やっぱり、生き物が生まれてから死ぬまでのライフサイクルではないだろうか?そこで僕は、ザリガニを『親子』という幼児にも分かりやすい切り口で取上げることで、そのライフサイクルをさりげなく紹介する、そんな本作りにチャレンジしてみた。


ぼくたち親子だよ カタツムリの親子
  ―くるりん まいごになる(旺文社)


文章は西沢杏子さん。幼児向けの本は、どうしても広く浅くの傾向にあり、生き物の面白い特徴の部分だけを取上げる傾向にある。だが、たとえ幼児でも、自然を見る際の基本は、やっぱり、生き物が生まれてから死ぬまでのライフサイクルではないだろうか?そこで僕は、カタツムリを『親子』という幼児にも分かりやすい切り口で取上げることで、そのライフサイクルをさりげなく紹介する、そんな本作りにチャレンジしてみた。


350シリーズ ざりがに (ポプラ社)

本の大きさもページ数も、価格も、大変に小さな本ですが、決して乏しい内容ではないと思います。ほかにシリーズでかたつむりもあります。


350シリーズ かたつむり (ポプラ社)

本の大きさもページ数も、価格も、大変に小さな本ですが、決して乏しい内容ではないと思います。他にシリーズでざりがにがあります。


ふしぎだな?ブック めだかのがっこう (世界文化社)

最初の見開きのページは、たくさんの写真を組み合わせて水辺の自然を再現した合成写真です。欧米の本では時々見かける手法ですが、それを見て、僕もどうしてもやってみたくなったのです。


都会にすみついたセミたち (偕成社)

海野和男先生との共著。この撮影の様子はおよそ一ヶ月間、毎日のようにテレビカメラによる取材を受け、30分番組として放映されました。この本を読んで感想文を書いたお子さんが、読書感想文のコンテストで賞を取りました


虫のくらし写真館 カタツムリ (ポプラ社)

写真は僕、文は大木邦彦さん、監修は高家博成さんです。子供向けのカタツムリの本の中では、現在の時点では一番いい本だと自負しています。ちょっと高価ですが、しっかりしたハードカバーで、作りはとてもいい本です。


ふしぎだな?ブック たんぼのあまがえる (世界文化社)

この本の中の写真は、本を作る前提では撮影していなかったのですが、昆虫写真家の森上信夫さんの推薦で、僕のアマガエルの写真が本になりました。



ふしぎだな?ブック だんごむしのかぞく (世界文化社)

表紙の写真はどうやって撮影したの?とよくたずねられるので、先に書いておきましょう。まず山ほどダンゴムシを採集し、それを転がしてみて、丸まったままなかなか起きないダンゴムシをモデルとして選び、その上に子供を乗っけてみました。ダンゴムシの中には、条件によって、一度丸まるとなかなか起きないものがいるのです。ただ、親がどうしても岩の上に立たなかったので、下に小さなご飯粒を敷きました。