武田晋一による一刀両断
 

 生き物の写真を撮る人は、生き物の生態を撮ろうとするタイプと、生き物をまるで絵画のように撮ろうとする人とに分かるように思う。
 生態を撮ろうとする人の写真は、一般的にいうと絵としてはつまらなくて、絵画のように撮ろうとする人の写真からは、生き物に対する深い造詣が感じられないことが多い。
  が、田中博さんの写真は、それが両方共に満たされている点に、僕は魅力を感じる。
 基本は絵画的な写真なのかな?と、僕には感じられるのだが、例えば、シルエットのように写っているトンボの尾っぽの形が面白くて、それがうちわのような尾っぽを持ったウチワヤンマだったりして、トンボの種類ごとの特徴や、形の面白さも写っている点が、僕は好きだ。

 また噂によると、もっとも写真業界をよく知っている自然写真家の一人だといわれている田中さんの日記のページはなかなか面白くて、ついつい僕も毎日見てしまう。

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