湿原が出現
 田んぼの一年
ある時、九州の阿蘇山で撮影をしていたら、ちょうど夕日に輝く田んぼが、まるで広大な湖のように見えた。「そうだ!日本中の田んぼの面積を合計したら、かなりの広さになるだろうな〜」と、その時、僕は考えた。
僕はよく田んぼでアマガエルを撮影するが、アマガエルは田んぼに水が入ると数日うちに卵を産みつけ、卵はわずか1〜2日でオタマジャクシになり、オタマジャクシはまるで、しばらくすると田んぼから水がなくなることを知っているかのように、あっという間に足が出て、手が出て上陸していく。田んぼの水は、人の手でひかれるが、アマガエルから見れば、田んぼという広大な湿原が、なぜか毎年ある時期になると各地に突然に出現し、そして、それに合わせて子孫を残すわけだ。
 

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自然写真家・武田晋一のHP「水の贈り物」 淡水記 湿原が出現 


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