天は二物を与えた
 

 
 ニッポンバラタナゴの産卵
小学生の頃、池を干すから鯉を捕まえに来ないか?と誘われて行ってみたら、僕の網にニッポンバラタナゴのオスが一匹入った。婚姻色で青とピンクに染まったその魚体は、一瞬で僕を魅了した。干上がりかかった池でバシャバシャ飛沫を上げている錦鯉なんて、どうでもいい。僕はニッポンバラタナゴを大切に大切に持ち帰った。
 このニッポンバラタナゴは、姿が美しいだけではない。なんと、卵を二枚貝の中に産み付けるのだから、その生態も実に面白い。知り合いの昆虫写真家が、「カブトムシは、確かにカッコイイけど、観察してみると実に退屈な生き物なんだよな!」と言うのを聞いたことがあるが、ニッポンバラタナゴには、美しさとおもしろさと、天は二物を与えたようだ。
 

1. 貝を見つけた 2. メスのお尻には、卵を産む管がある。
 
3. 管を貝の中に入れて産卵する 4. オスが精子をかける
  
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自然写真家・武田晋一のHP「水の贈り物」 淡水記 天は二物を与えた 


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