カエルの発生

アマガエルの卵 

 アマガエル 卵〜オタマジャクシへ


 田んぼでアマガエルの卵を探してみたが、見つからない。どうしても見つからないので、仕方なく2匹のカエルを飼育して、目の前で卵を産ませ育ててみたら、見つからなかった理由が分かった。アマガエルが卵を産む6月頃の田んぼの水温下では、ほんの1〜2日で、卵はオタマジャクシとなり孵化してしまうのだ。

 
 
1. 産卵直後の受精卵 2. 30分 3. 40分
カエルは、オスとメスとが交尾をした状態で産卵する。メスが卵を産み落とすと同時に、オスは卵に精子をかけ、産み落とされたばかりの卵を受精させる。受精卵は、ただ丸い塊である。
 
受精した直後の卵には細胞が1つしかない。卵が受精をしてから約30分後、卵は縦に二つに分裂し、1つだった細胞が2つに増える。 さらに10分後、卵は、もう一度縦に2つに分裂し、細胞の数は4つになる。
4. 55分 5. 70分 6. 2時間
今度は卵が横に割れ、細胞は8つになる。どちらかというと、卵の下側の細胞が大きい。 卵がさらに分裂して、細胞が16個になある。細胞の数は増えたが、卵全体の大きさには変化がない。したがって、1つ1つの細胞の大きさは細胞が分裂するたびに小さくなる。 さらに分裂は進む。外からは見えないが、卵の中には大きな空洞が作られている。魚をさばいたことがある人ならわかると思うが、腹を裂くと腹の中には空洞があり、その空洞に内蔵が収められている。まだ丸い卵の中に、将来内蔵を収めるためのその空洞がすでに作られているのだ。
 
7. 5時間 8. 8時間 .9. 11時間
分裂が進み、細胞が小さくなり、写真では1つ1つの細胞が確認できない。
この頃になると、卵の中に作られた空洞に、卵の表面の細胞がめり込んでいく。ちょうど、風船に指をたて、その指先を風船の中にめり込ませた状態を想像してもらえればいい。その場所が、卵の右側、やや下方に確認できる。
 
風船に指を突き立てるたとえを使ったが、カエルの場合、指を突き立てたその場所が肛門になる。その肛門は、卵の右側にはっきりと確認できる。口は後から作られる。風船のたとえで言うと、指を突き立てた場所が肛門に、その指をグッと押し込み、風船の反対側に突き抜けた場所が口になる。
 
肛門や腸や胃などの消化器がある程度作られると、今度は丸かった卵が変形を始める。これから一気にオタマジャクシの形が作られる。
10. 13時間 11. 14時間 12. 18時間
さらに卵は変形し、写真の右側には将来の尾っぽが確認できる。

 
さらに尾っぽが伸び、だんだん、オタマジャクの形に近づいてきた。左が将来の頭、右が尾っぽである。
 
孵化直前のオタマジャクシ。尾っぽにはヒレが確認できる。この時期になると、卵の中で盛んに泳ぎ回るようになる。
 
 
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自然写真家・武田晋一のHP「水の贈り物」 淡水記 カエルの発生 アマガエル 卵〜オタマジャクシへ


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